人形について


  • 人形は古くから日本人にとってかけがえのないものとして身近にありました。古くは土偶や、埴輪なども人形の範疇に入ると思います。又、中国から伝わり平安期から始まった節供行事に欠かせないひな人形、五月人形として現在でも広く親しまれています。昭和の初期にその様な人形作りの職人たちの手によって人形芸術運動が起こり、芸術性と高い技術を備えた人形たちが多く生まれました。現在の工芸会の人形たちにもその血は色濃く伝えられています。作風の違い、技術、技法、素材の多様性も伝えられてきたものの証とだと言えます。

    技法、素材などで大まかに下記のように大別できます。

 
岩瀬なほみ

  • 木彫彩色「花々花」

素材・技法

木彫(桐、朴、楠、桂 その他)による製作。木目込・紙貼り・彩色・胡粉仕上・げなどの技法がある。
桐塑(桐粉を糊で練った物)を肉付けして製作する。木目込・紙貼り・彩色・胡粉仕上げなどの技法がある。
張り抜き(和紙などを使い張子で製作する)。紙貼り、彩色、胡粉仕上、乾漆などの技法がある。
陶(土を用い焼成して作る技法)。陶胎彩色、陶彫彩色、陶練込みなどの技法がある。  
 
※詳しくは「鑑賞の手引(日本工芸会編)」を参照してください。

作品を出品してみませんか。

ご自分で人形作りを頑張っていらっしゃるあなたへ、一度日本工芸会主催の公募展に出品なさってみてはいかがですか。
審査の後の研究会で講評も聞けますし、作品作りで同じ苦労をしている出品者どうしの交流も持て、あなたのこれからの人形作りに必ず得るものがあると思います。
ちなみに出品の機会としては、年に三度の公募展があります。
 
●東日本伝統工芸展 関東以北の人形を製作している人が出展でき、入選すれば、東京、盛岡などを巡回する展覧会に陳列されます。
●日本伝統工芸展 全国規模の公募展で厳しい審査があります。入選した作品は全国11都市を巡回します。
●伝統工芸人形展 全国規模の公募展で、東京で開催されます。隔年開催です。
●伝統工芸創作人形展 工芸会の正会員と準会員を対象に、全国各地で開催されます。伝統工芸人形展と交代で隔年開催です。
 
詳しいことは日本工芸会東日本支部まで問い合わせください。 

 
青木時子

  • 木芯桐塑木目込「君の力」

出品の意が固まりましたら搬入に際しての留意点を述べておきます。

宅配便などでの搬入が多いので、輸送中に壊れないよう注意が必要です。
作品に不具合がないか、ガタツキがないか、しっかりと立っているか、台に取り付ける場合は運送中に外れないようにしっかりと固定すること。台の上に置く場合は人形の置く位置を分かるようにする。人形を置いた時の正面が分かるように台、人形の裏に目印が必要です。又、作者名、作品名を人形と台の裏に明示してください。展示するときに人形を置く台が有りませんと不都合がありますのでその点ご留意ください。、
梱包には輸送中の破損がないように十分注意してください。
 
あなたの個性あふれる作品をお待ちしています。